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⑥不思議でまったりとした場所

韓国での勉強がハードなあまり、わたしは2週間ほどですっかり煮詰まってしまいました。こんなに勉強してもついてけへん、でも勉強せな、そんな調子でだんまり一人で机に向かっていると、いつしか自分の顔から笑顔が消えていくんですね。

こんなふうな体験はおそらく初めてのことでしたし、その一方で煮詰まったわたしを持て余す自分自身がいたりで、すっかり途方に暮れていました。

そんな時、クラスのメンバーが「今日の授業は静かでしたね」と声を掛けてくれたり、「そういう時はちょっと気分転したほうがいいよ」と言って、外へ連れ出してくれたりして、本当に救われた思いがしたものでした。

その気分転換で行った所が、ある意味とっても「韓国らしい」場所だったので、今回はその場所についてレポートしたいと思います。

すっかりロウな気分のわたしを見かねて、同じクラスのMオンニ(注:オンニとは「お姉さん」ぐらいの意味。ちなみに、2回目の短期留学の時にしばらく居候させてくれた人と同一人物)が連れて行ってくれたんですが、そこは健康機器の良さを体験してもらい、できれば購入してほしいな~ という感覚のところ。

日本でも、病院の近くなどで、中高年者をターゲットに「健康機器無料体験」を実施しているのを見かけます(そして大抵は「波動」とかいったりして、かなりアヤシい)。

韓国でわたしが体験したものは、本来なら何がしかの料金が必要のようですが、今回はオンニの知人に紹介を受けたということで、無料にしていただきました。

で、なんの健康機器かというと、①ベッド状のマッサージ器②電気を通した金属棒、の2つが主力商品のようです。

①は腰から首までをまんべんなく揉んでくれるので、けっこう気持ちよく、一瞬眠りそうになりました。しかも、マッサージ器全体がオンドルみたいにほかほかと暖かいのも、なかなか素敵。さらにお腹にはヒーターのような、湯たんぽよりは熱いぐらいの「暖かい物体」を載せてじーっとしているという状態で、なんだか自分がホットサンドになったような気分。

このマッサージ器を使うときは、仰向けになってやるわけなんですが、天井には効能書きがびっしりと貼られていて、「これは効くんやで~」と猛烈アピール。嫌でも目に入る仕組みになっています。

それによると、マッサージ器のぐりぐりが当たった時に痛い場所によって、自分の体のどこが悪いかが分かるようになっているのだそう。わたしですか? 腰と腎臓だったかな…

②は、電流の強さが細かく調整できるようですが、かなり痛い。わたしはもとより痛がりなので、おそらく皆さんなら我慢できるのでしょうが、一体どんな痛みかというと、5本ぐらい太目の裁縫針を持って、それで力いっぱい体を刺す、それぐらいの痛みです。

弱っちいわたしはすぐに降参して、電流低めでお願いしました。ちなみに、痛さを感じない、ということは逆に神経がきちんと機能していない証拠だそうなので、ま、痛くて良かったんでしょうね。これは何に効くんだったかな…とにかく痛かったことしか思い出せない! ま、気の流れを良くする、とかそんな効果でしょう(いい加減なわたし)。

このお店のご主人は九州に4年住んでいらしたとのことで、日本語も大変達者でいらっしゃいました。ちょっと現代風の韓服のようなものをお召しになっていて、いかにも健康機器販売、というよりはむしろちょっと哲学的な感じさえ漂っていました。

ここには常連のおばちゃんが足繁く通っているらしく、ほとんど気分は地元密着型のモギョクタン(風呂屋)状態。②の電気棒をやってもらうために、ブラジャー取っておチチ丸出しのアジュンマ(おばちゃん)はいるわ、ねっころがってその辺で井戸端会議に熱中している人はいるわ、すっかり昼寝して気持ち良さそうなおばちゃんはいるわで、あまりの空気のゆるさに思わずなごんでしまいました。

韓国の人って、「モメチョッタ」(体にいい)ものが大好きなんだなぁ、そしてアジュンマパワーはこういうところで日々培われるのか、と実感したひと時でした。

次回は、梨大近辺のお勧めの店についての話です。



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